上場企業から医療法人まで幅広い業界、事業形態に対し高い専門性を持ってサービスを提供されている税理士法人漆山パートナーズ。今日は代表の漆山先生に事務所の特徴や今後についてなどインタビューさせていただいた。
税理士
公認会計士
社団法人 日本証券アナリスト協会 検定会員
多くの企業の社外取締役、監査役を歴任
先生が公認会計士を志した理由は?
実家が会社をやっていて、そういう環境で育ったのであまりサラリーマンになろうとは思っていませんでした。実家は革製品の卸の会社だったので、浮き沈みがけっこうあり、大変な状況も見ていたので、在庫を抱えるような仕事はやめようと思いました。高校生の時にどんな仕事がいいか調べる中で、弁護士や会計士といった専門職が浮かんできて、会計士を目指すことにしました。
税理士法人 漆山パートナーズの特徴って?
当事務所は、会計士が私を含めて3名と税理士5名を含む20数名の専門的な知識を持つスタッフが多く在籍しております。私たちは専門家なので新しい知識をしっかり身に着けて、その時にもっともふさわしい、適切な回答ができるようにみんなで学習していくことを心がけています。会計のルールはどんどん変わりますので、1番新しいものに対応できるところは特徴です。平均年齢も30代半ばなのでフットワーク軽くクイックレスポンスも心がけています。最先端システムをしっかりと取り入れて効率化していけるというのを売りにしていて、システムの理解も他の事務所より進んでいます。業務分析やシステムの導入、経理スタッフさんの指導など、企業内での会計の仕組み作りにも力を入れています。
税理士事務所というよりは、アウトソーシングで会計を請け負う会社を目指しており、大企業や病院の経理部門を一括で請け負ったりもしています。経理担当は100人規模の会社でだいたい1,2人いて、その人たちがずっと同じ会計の仕組みを使ってやっていると思います。そうなると1度作った仕組みを変えるのはなかなか大変です。ただ、どんどん会計の仕組みは進歩しているので、新しいものを導入することでかなり効率化をはかることができます。それをきちんと社長にお伝えして、変えていくということをやっています。経理担当がもしいなくなったとして、急遽社長があたふたしながら経理をやらなくてはならないということはけっこうあります。そういう意味では会計事務所がしっかりと把握することで、退職者が出ても、病気で休む人が出ても困らないですし、新しいものをどんどん導入していけるので、企業がアウトソーシングするというのは今の時代だからこそすごくニーズがあり、やる意味もあるのかなと思っています。
今後の公認会計士、税理士業界とその中での先生の展望について教えてください。
今後会計処理業務はどんどん簡略化、自動化されていきます。申告業務は税理士の唯一の税理士しかできない業務なので残るかもしれませんが、記帳や決算は徐々になくなっていくと思います。
ただ、経理が不要な企業はないので、逆に言うとそれがビジネスチャンスになると思っています。数十名規模の会社やスタートアップベンチャーなどが経理の仕組みを作り上げるのはけっこう大変です。私たちから見ると不効率で、もっといい仕組みがあるのにできていないところがたくさんあります。そこで業務分析、システム導入、運用、保守、管理をして、きちんとレポーティングするなど、PDCAでまわしていけるようなことを提案できるようになることが重要になってくると思います。
会計士になって30年、開業して20年経ち、あと何年やれるかは別として、私自身が動くというよりも事務所として動ける形を目指さなければと思っています。
ある意味まだまだ自分の名前が先に立って動いている事務所なので、それを少しずつ変えていきたいです。そのためには若い人をどんどん入れていかなければと思っています。今の若い人はシステムでも語学でもそれなりに柔軟性があって対応していけるので、どんどん若い人を入れて組織化して、仕組みを作り、運営できる事務所に少なくとも10年以内にはしていきたいと思っています。
ただ、そうすると別に私の役割がなくなるわけではなくて、今の経営者も私と同じように歳をとっていきますので、世代交代や事業承継など私にしかできないことをしっかりと対応していきたいと思います。
また、日本の高齢化社会や人口減少のことを考えると海外もフィールドの一つとして、視点を持ってやっていかなければならないと思っています。積極的に海外に出て、海外の情報をしっかりと取り入れて、案内できるようにすることも目標の一つです。
20年、30年と安定してお客さんに対応していける事務所にしていきたいですね。