「モチベーションが持続する職場環境」の整備を専門分野として、「心のストレッチ研修」をやられている室岡先生。損害保険会社時代の経験も活かしカスタマーハラスメントの相談にものられています。そんな先生に事務所の特徴や今後についてなどインタビューさせていただいた。
特定社会保険労務士
産業カウンセラー
年金アドバイザー
先生が社会保険労務士を志した理由は?
前の仕事が損害保険会社で自動車事故の示談代行や査定など社会保険の業務に携わっていました。ただ、実際に働いている職場を見ていると仕事の内容や人間関係で疲弊している人がたくさんいて、会社を休んだり、最終的に会社を辞めてしまう人もいました。そういう人たちを見ている中で、社会保険労務士になって、快適な職場環境の整備に貢献できればいいなと思い目指すことにしました。
社会保険労務士事務所スローダウンの特徴って?
「心のストレッチ研修」に力をいれています。「心のストレッチ研修」とは、なにか特殊な知識を与えますとか、テクニックを身につけましょうというものではありません。仕事モードの価値観から離れて、伸びきったゴムのように疲弊している心を休めて、自分の人生について改めて考え、再び伸びるためのモチベーションが体の中から自然に戻ってくるようにするための研修を行っています。
自動車事故の示談代行や査定をやっていた経験から、カスタマーハラスメント対策にも力を入れています。お客様は実際に事故に遭われた人たちですが、相手との折衝は精神的にすごく疲れます。同様に感情労働が必要と言われているサービス業、病院、介護施設、カスタマーセンターなどのお客様対応をしている仕事は、お客様と接していると無理難題を言われて心身ともに疲弊していく人が多いです。セクハラやパワハラなどの社内で起こるハラスメントとは違いカスタマーハラスメントは社外との話になるので、相談先がなかなか見つからないと思います。弁護士は確かに専門家ですが、1件1件なにか言われたからといってその都度弁護士に相談はできないと思います。そういったカスタマーハラスメントに関しても相談に乗らせていただいており、メンタル面含めてケアをしています。
労働問題の相談や事務手続きの代行、各種申請などもやっています。また、当事務所では労務管理クラウドシステムも導入しています。その労務管理クラウドシステムを会社さんにも使っていただくことで労務管理がすべてクラウド上で一元管理できるようになるので、人事や総務の働き方改革にもつなげていただけます。
すべての問題にメンタルヘルスの視点を重視して対応することを心がけています。職場では色々な問題が起きると思いますが、どんな問題であってもそこには必ず感情が存在します。傷ついている人もいますし、傷つけている人もいます。その場だけ解決してOKではなく、メンタルの部分で誰がどう傷ついているか、将来のことも考えながら対応や言葉を選ぶようにしています。
今後の社会保険労務士業界とその中での先生の展望について教えてください。
政府が電子申請を推奨しているので、今までのような役所に行って書類を出しますといった事務作業などは縮小していくと思います。ただ、機械ではどうにもならないようなことが絶対にあります。働く人や環境に関する相談や、どうやったら会社が発展していくのかといったコンサルティングのようなところで社会保険労務士の仕事は必要になってくるのではと思っています。
働く環境を無理やり外部のやり方にあてはめて変えましょうと言っても、それぞれ会社によって環境は違うので、絶対に改善はされません。そうではなくて心のストレッチ研修で、きちんと従業員を休ませてあげることができれば、みんなが持っている能力が自然に出てきて、その能力を思いっきり発揮することができるようになります。そうなれば会社にとっても、本人にとってもいいことだと思うので、もっともっと広くやっていきたいです。世の中には自分を追い込んで、うつ病になり、最悪の場合自殺してしまう人もいます。そうならないための環境作りの力になれたらと思います。自分なんて生まれてこなければよかったではなく、みんなが生まれてきてよかったと思ってもらえる世の中にしていきたいです。