地元の中小企業を黒字体質にすべく節税の提案をしない税理士として、未来を見据えたご提案をされている武石先生。税金の計算をするだけではない会計事務所です。そんな先生に事務所の特徴や今後についてなどインタビューさせていただいた。
著書
事業を継続させる 経営計画の立て方・活かし方(共著)
先生が税理士を志した理由は?
父親が税理士で、前職を辞めたタイミングで、父親から税理士をやってみないかと言われて目指すことにしました。
武石税務会計事務所の特徴って?
毎月の数字をタイムリーに把握し、素早く経営に生かしていただくために、会計ソフトを活用し、クラウド上で共有できるようにしています。また、ご自身で領収書の管理や、経理をするのが現実問題難しい会社もあると思いますし、私としては本業に専念していただきたいという思いもあります。なので、自計化の支援や経理代行もやっています。
私は、会社のお金が出ていくような節税の提案をしない税理士です。会社はなぜ潰れるかというと、赤字が続き会社のお金がなくなるから潰れます。節税のために、仮に利益の100万円をそのまま経費で使うとすると、100万円が会社から出ていくことになります。使わなければ、利益100万に対する税金が約40%なので、手元には60万円残ります。経費を使う理由が、どうしても必要なものを買うためであったり、社員のために使いたいからということであればいいのですが、節税のために経費を無駄に使うのはやめましょうというご提案をしています。
経営計画では、売り上げを伸ばすだけでは意味がないので、まず社長さんと一緒に必要な利益目標を決めます。次にその利益目標を達成するための売り上げ目標を決めます。そして、どこに手を打てば利益が出るのかなど経営に踏み込んだアドバイスもしています。
顧問料を毎月引き落として、会計の資料を毎月顧問先から受け取っているにも関わらず、試算表を3か月に1回しか提出しない税理士事務所も多々あります。それでは、社長さんは色々な経営判断をするのが難しいと思います。顧問料をいただく以上はそれ相応の対応をする必要があると思っていますので、私は基本的に毎月お会いするようにしています。社長さんによっては数か月に1回で大丈夫と言ってくださる方もいますので、そこはご要望に合わせてお会いさせていただきます。
今後の税理士業界とその中での先生の展望について教えてください。
税金の計算だけをしている税理士は今後価格競争になっていってしまいます。ただ、税理士である以上は、仕事がなくなることはないと思います。今後生き残る税理士は、しっかりと社長のサポートができて、会社を黒字体質に変えられるような人だと思っています。
今後に関しては、もっと多くの地域の会社を黒字体質にしていけるようサポートしていきます。
現在、租税教室といって、小学校、中学校に呼ばれて税金の話をしています。税金がどんなことに使われているのか話をする中で、働くことはすばらしいことだとお伝えしています。ただ、小学生でも税金を払いたくないと言っている子がいるくらいなので、その辺の意識も変えていきたいなと思います。