会計の専門家として、経営者の伴走者となり、企業経営をサポートしている池田先生。税理士の強みを生かした経営計画書を作成されています。そんな先生に事務所の特徴や今後についてなどインタビューさせていただいた。
先生が税理士になったきっかけは?
私が高校生のときに父親から会計士はいいぞと勧められて、最初は会計士を目指していました。ただ、高卒で会計士試験を受けようとすると、当時は国語、数学、理科、社会の一般教科に合格する必要がありました。せっかく高校でその勉強からは抜け出せたと思っていたので、その話を聞いた瞬間に諦め、税理士にシフトして今に至っています。
池田会計事務所の特徴って?
当事務所の特徴は経営計画書の作成です。経営者の方にとってなにが1番大切かというと、やはり人です。人を大切にするためには、利益を出す必要がありますし、キャッシュがなければ給料も払えません。そのためにどういう経営をしていくか経営計画書を作成します。目標設定と進捗状況の管理をして、会計の専門家として数値で落とし込みをします。年間の目標設定に対しての進捗状況を毎月確認し、さらに5年、10年先の中長期的な進捗状況の管理もしています。損益計算書、貸借対照表を提出し、こうでしたと言ったところで結局は過去の話です。私が見たいのは未来なので、過去はもちろん大事ですが、過去のデータを基に、未来でどう数字を作っていくかを大事にしています。
「目標に対して10%下振れしています」「目標利益が500万円足りません」それを残りの数か月、今期中にどうリカバリーしていくのかを考える時に、私はコンサルタントではないので、商品を考えることはできません。ただ、様々な業界での事例や新しい市場の情報などを提供し、より大きな視点で商品のことを客観的に見ることができるので、そういったところの掛け算で、経営者の方にうまくヒントを見出していただければと思っています。
社長の成績表というのもやっています。1年経つと貸借対照表の動きがわかるので、例えば、現預金が1年間で5000万円増えた場合、なぜ増やすことができたのかを分析して、銀行側の目線で何点だったか、社長の成績を僭越ながらつけさせていただいています。そちらも、決算相談の際のツールとして活用しています。
ご相談の際は、経営者の方がなにをやりたいのか、なぜそう思うのかなど掘り下げて、根本のところを理解しようと努めています。ご質問いただいた際は、素早く回答することを心がけています。時間が経つと相手の熱も冷めてしまうので、できる限り一両日中には回答するようにしています。
今後の税理士業界についてと先生の展望を教えてください。
AIが出る前から将来なくなる職業のトップ10に必ず税務会計業界は入っていました。入力代行のような業務は、将来的になくなりはしませんが、縮小はすると思います。また、今回の新型コロナウイルスの影響で、以前から言われていた働き方改革が本当の意味で働き方改革になったと思っています。そういった世の中の大きなトレンドの中で、私たちの業界も変わっていかなければ、やはり支持されなくなってしまいます。AIにはできないところに力を入れて、なにかしらの強みを見出して、付加価値を上げられた人が生き残っていけるのかなと思っています。
今後に関しても、今やっている経営計画を愚直に実践するだけです。とはいえ、根本にあるのは人を大切にすることです。なにより自分自身をまず大切にすることです。自分を大切にするからこそ余裕が生まれ、他者にもより優しくできると思っています。人を大切にするにはどうしたらいいかを常に探求しつつ、自身の経営、財務体質も強化していきたいと思います。