ベンチャー企業などの急速に成長を遂げる企業の労務管理を得意としており、創業時より多くの実績を積まれている中嶋先生。お客様の状況と法律を踏まえ、寄り添った対応をされています。そんな先生に事務所の特徴や今後についてなどインタビューさせていただいた。
先生が社会保険労務士になったきっかけは?
元々上場企業のグループ会社で人事総務をやっていました。その後、転職を検討するようになり、なにか目に見えるものとして資格を取得しようと考えたのがきっかけです。私の今までの経験を踏まえて、社会保険労務士という資格が1番最適だと思い、資格取得に向けて勉強を始めました。当初は転職のための資格取得だったので、特に開業するという予定はありませんでした。合格後、会社を辞めようとした時に、よく考えるとこの資格自体が自分でビジネスができる資格だということにふと気づき、どこまで自分自身でできるかを試してみたいと思って事業をスタートしました。
社会保険労務士法人M.I.OFFICEの特徴って?
ベンチャー企業などの急速に成長を遂げるような企業は、労務管理がどうしても追いつかないというところが多いです。そういったところのサポートに関しては、創業時から取り組んでいるため実績も多く、当事務所の強みだと思っています。創業期にお付き合いいただいた企業とは現在もお付き合いがあり、どのお客様も創業期と比べてすごく従業員数が増えていらっしゃいます。そんな実績もあって、同じ企業に関与していた顧問税理士の先生などから、他にも同じように成長している企業があるから見てもらえないかとご紹介いただくことも多いです。
労務関係の法律は難しく複雑なので、お話する際は、難しい言葉を極力使わずに、平易な言葉に言い換えてお伝えすることを心がけています。
ご相談の際に、社長の意向に沿うような回答を求められることもあります。しかし、それが間違っている情報、知識だとしたら、思わぬリスクを背負うことになってしまうかもしれません。意図せずコンプライアンス違反をしようとしている社長もいらっしゃいました。そういった場合、間違った方向に進んでしまわないように、法律ではこうですということを、たとえ厳しい内容だとしても臆せずはっきりとお伝えするようにしています。ただ、お伝えした上で、あとは社長ご自身で考えてくださいといったように丸投げにはせず、企業様の現状と法律を踏まえ、どのように対策していくかを一緒に考えていきます。
企業には、会計上では見えてこない簿外債務リスクが色々とあります。未払い残業代だけでなく、社会保険料なども正しく適応していなければ、遡及して支払う必要があります。それが原因で、企業の成長をストップさせてしまうようなことがないように、自分事と考えて、日々業務にあたっています。
日常の手続きなどに関しては、定型的な方法で効率化を図った方がお客様にとってもメリットがありますので、シンプルな方法を模索しています。しかし、就業規則などに関しては、杓子定規な対応ではなく、話をきちんと聞いた上で、その企業に合わせた内容で進めることを心がけています。
今後の社会保険労務士についてと先生の展望を教えてください。
人がこの世からいなくなることはないので、社会保険労務士の仕事が急速になくなることはないと思います。ただ、AIやRPAなどの人に代わるものが増えていくことでの労働生産性の限界はあるでしょう。そんな中で、労務関係の法律はまだまだ昔の労働体系に基づいて作られており、時代と合っていない法律の方が圧倒的に多いので、その部分を調整する能力が今後は求められていくと思います。
社会保険労務士事務所は大規模なところから中小規模、個人事務所まで様々です。社会保険労務士の業務は幅が広く、特に個人事務所の先生に関しては、すべてを一人で対応されているので、とても忙しくされています。そこで、手続きなどのルーチン業務に関しては、ある程度AIやRPAなどを導入することができたらいいのですが、導入費用が高いのが現状です。そういったものが気軽にどんどん取り入れられるようになり、個人事務所の先生一人ひとりがコンサルティングなどの相談業務に集中できるような仕組みが作られていくことで、もっと社会保険労務士の価値というものは上がっていくのではと考えています。
今後も引き続き、関与する企業が成長していくことがなによりも私の願いです。そういった企業を1社でも多くサポートして大きくしていくことで日本経済を活性化する力添えができればと思っています。