春日部の地で祖父の代から続く税理士事務所を引き継ぎ業務にあたっている漆原先生。町の税理士事務所として、日々相談にのられている先生に事務所の特徴や今後の展望などインタビューさせていただいた。
先生が税理士を志した理由は?
元々祖父が税理士をやっていました。私も子供の頃から祖父が税理士というのは知っていましたし、将来仕事をするにあたって資格は必要だと考えていたので、漠然と子供の頃から税理士になるのかなと思っていました。
実際にちゃんと税理士を目指し始めたのは、大学の経済学部に入学して簿記などを勉強していく中で、一緒に税理士を目指す仲間ができてからです。
私の祖父含め、税理士を目指す仲間が身近にいるという環境が大きかったと思います。
漆原岳郎税理士事務所の特徴って?
税理士は平均年齢が高い職業ですが、私はお客様よりも年下であることが多いので、サービス業の1つであることを前提として、お客様の満足度向上のために、フットワークの軽さであったり、若いからこそできるようなアドバイスやアプローチをしているのが特徴です。
現在注力しているのは、事業承継税制です。企業が代々続いており、今後も事業承継していく中小企業様であれば、経営の負担を減らすことができるので、お客様がメリットを得られるように積極的に提案しています。
昔からのお客様ですと高齢の方も多いので、そういった方にはいろいろなことを一度に提案してしまうと困惑してしまうと思いますので、その都度なるべく必要なものだけを絞った状態で提案し、進めていくようにしています。今やる必要があるのか、後でもいいのか判断し、後でいいものに関しては資料をお渡ししたり、ご案内だけ軽くして、次回お話する際にスムーズに話に入っていけるように心がけています。
今後の税理士業界とその中での先生の展望について教えてください。
AIが出てくることで反復的な事務作業は取って代わられると言われています。なので、申告書作成業務や会社の資料をもとに会計ソフトに打ち込む記帳代行業務だけをやっているところは今後厳しくなってくるのかなと思います。
税理士ひとりで所得税や法人税などすべての税目をまかなうのはなかなか難しいです。なので、これから先はAIに対抗して業界を守っていくためにも、税理士の横のつながりを強めて、ある程度協力しながらお客様に対して包括的なアプローチをしていくことが必要なのかなと思います。
また、ただ数字を入力してどうこうという提案ではなく、プラスアルファの部分、数字の中から見えてくる財務体質改善やお客様が何を求めているのかに対するアプローチというのはやはりAIでは難しい部分です。そのプラスアルファの部分を提案できるような税理士を育成していくためにも、情報共有が税理士の中でもできるように税理士会としてある程度対策をとっていかなければならないのかなと思います。
今後に関しては、まず祖父から受け継いだベースがありますので、ここは絶対的に守りながら、今までのプラスアルファのクオリティでサービスを提供していきたいです。紹介でのお客様も多いので、そこで取りこぼしがないように、紹介していただいた方の信頼にも応えられるよう、人とのつながりを大事にしながら事業を進めていけたらなと思っています。
現在は3人の事務所ですが、将来的には税理士も私だけではなくもっと増やして、いろんなお客さんに対応できるようにしていきたいです。現状は、何か不得意な分野が出てくると、他の先生に相談したり、知り合いの司法書士さんや弁護士さんにお願いしたりしているのですが、やはり自分の事務所の中でのワンストップ対応ができる方が情報共有もできて、規模のメリットも絶対に活かせるので、そういったところを追求していきたいなと思っています。