労働法の専門家である外井先生。労働法、労災問題を中心にセミナーをやられたり、関連書籍も数多く出版されています。そんな先生に事務所の特徴や今後についてなどインタビューさせていただいた。
所属弁護士会:第一東京弁護士会
著書
パワーハラスメントに関する 法律実務
アスベスト(石綿)裁判と損害賠償の判例集成
わかりやすい 非正規雇用関係法の手引き
よくわかる労災補償と裁判 安全配慮義務と安全衛生管理
企業不祥事と公益通報者保護法について
など約60冊
セミナー・講演・執筆実績多数
第一東京弁護士会副会長(平成23年3月まで)
先生が弁護士になったきっかけは?
法学部に入学したのですが、のんびりと大学生活を送っていたらあっという間に4年生になっていました。周りには勉強熱心な人が多く、就職活動にも邁進していて、私は遅れをとってしまいました。ただ、民間企業に就職して、大きな組織の中でサラリーマンとして働くのは性に合わないと思っていたので、司法試験を受けて弁護士を目指すことにしました。
外井・鹿野法律事務所の特徴って?
当事務所は、労働関係業務と労災問題を得意としています。労働関係は、ここ数年紛争も増えてきて社会的にも注目されています。労災問題では、過労死や自殺、メンタル疾患関係などの相談に応じています。
ご相談の際は、とにかく話をじっくり聞くことを心がけています。何か困り事があって、誰かに聞いてもらいたいと思って来られていると思いますので、仮にそれが直接関係のなさそうな話だったとしても頭ごなしに話を遮るようなことはしません。話を聞くだけで落ち着く方もいらっしゃるので、何時間もかかる時もありますが、時間が許す限り話を聞くようにしています。
労働関係のご相談では、企業側が有利な事案は少なく、一見不利な事案が多いので、過度な期待はもたせないようにしながらも、絶望させないように、いいところを引き出せるように心がけています。
今後の弁護士業界についてと先生の展望を教えてください。
弁護士業界の現状は都市と地方の格差が歴然です。大きな事件は、東京、大阪の大都市に集中し、地方は個人の過払い金問題や、最近では残業代未払い問題など小さな事件が主になっています。都市は都市で、経済的な格差が広がっていて、弁護士の数が多いので、専門分野がなければ成り立っていかないと思います。今後東京、大阪などの都市部はより専門に特化して、深い知識をもってやっていくことが必要です。
今後に関しても労働関係、労災問題を中心にやっていくと思いますので、より一層専門性をもってやっていきたいです。また、これまで書籍を60冊ほど出版してまいりましたが、今後も引き続き、書ける限り出版していきたいと思います。
弁護士は何十件と依頼を抱えていますが、依頼者側からすると一生に1回の人が多いと思います。その分依頼者は期待していると思いますし、それに我々は応えなければなりません。ただ、司法界に対してひどいイメージを持たれている方が現状多いと思います。そのイメージもできるかぎり改善していきたいと思っています。