不動産、交通事故、離婚を得意分野としており、経験・実績が豊富な馬込先生。ただ弁護士業務を行うのではなく、依頼者の方のメンタルケアも重視されています。そんな先生の特徴や今後についてなどインタビューさせていただいた。
所属弁護士会:神奈川県弁護士会
先生が弁護士になったきっかけは?
ハンセン病やアスベストなどの事件で大きな被害を受けている方を救済するような報道をテレビで見ていて、私もそんな被害者の方々を助けられる仕事をしたいと思ったことが弁護士になった1番のきっかけです。
横浜合同法律事務所の特徴って?
私の得意分野は、不動産取引や不動産瑕疵などの不動産関係全般、交通事故、離婚です。
不動産は被害額が大きく、不動産を買った側からすると生活にも関わりますし、不動産会社側にとっても高額のトラブルにつながります。そのため、経験が豊富で実績のある弁護士に依頼することが大切です。私は、弁護士になった当初から不動産分野を数多く請け負ってきましたので、経験実績が豊富ですし、良い解決に導いてきた結果、お客さんから他の方をご紹介いただくことも多いです。
交通事故は、最近では弁護士特約といって、自動車事故などで被害者になった場合に、保険の特約により費用を払わないで弁護士に依頼ができるようになったので、軽い事故だったとしても気軽に弁護士に依頼する方が増えています。ただ、交通事故は、簡単そうに見えて非常に専門性の高い分野なので、弁護士によって結果が大きく変わるところがあります。また、被害者の方は急に事故に巻き込まれたにも関わらず、法律論で言うと両方に責任があると考えられるケースが多く、100%過失がないということがほとんどありません。注意しているという前提で、強制的に過失割合が10%、20%となり、その分賠償金も減額されてしまいます。被害者なのに減額されるのは納得できないと思いますが、それを変えることは現状難しいです。そのため、被害者の心のケアがすごく大事になってきます。実際に、弁護士特約で依頼したものの、担当の弁護士がきちんと対応してくれなかったと私に相談がくることがありました。よくよく話を聞いてみると、その弁護士の先生は、やっていること自体は間違っていなかったのですが、説明がとにかく足りていませんでした。「こんなところまで説明しなくてもいいか」「過失割合が被害者にもあるのは当たり前です」といった感じで進めてしまい、弁護士への不信感から被害者の方とトラブルになってしまっています。「なにも対応してくれなかった」「全然説明してくれなかった」と不信感を持って相談に来られる被害者の方が多いので、それを踏まえた上で、しっかりとコミュニケーションを取り、丁寧に説明をすることで、過失割合があることは仕方のないことだと納得していただけています。言い方1つで一気に弁護士への信頼がなくなってしまうので、被害者の方に対する接し方、心のケアをとても大事にしています。
離婚も似たようなところがあり、離婚をしたいと思っている側と離婚をしたいと言われた側、両方が非常に辛い思いをしているので、交通事故と同様にしっかりと心のケアをすることを大事にしています。また、これを言ってしまうと怒られるのではと思ってすべてを話さずに隠してしまう人も多く、いざ裁判になって、事前に聞いていなかった話が感情的になってどんどん出てきてしまうことがあります。確かに、本人は相手のことで言いたいことが山ほどあり、それを裁判所ですべて伝えたくなると思います。ただ、言いたいことをすべて伝えてしまうと裁判で本当に大事なポイントが見えなくなってしまいますし、裁判所側からの印象も悪くなってしまいます。重要なのは大事なポイントをいかに細かく強調するかです。裁判所では「このポイントだけを伝えれば大丈夫」「他のところは裁判には関係ない」ということを依頼者の方に理解してもらうことが大事なので、そのために、事前相談の際に話しやすい雰囲気作りをして、ざっくばらんになんでも話せる関係を築けるように心がけています。
今後の弁護士業界についてと先生の展望を教えてください。
弁護士の人口が増えてきていて、特に東京では飽和状態になっているので、仕事の取り合いになっています。一昔前は弁護士の看板を掲げるだけで、仕事がどんどんきていましたが、今は選ばれなければ仕事がこないという時代に入っています。弁護士資格を持っているだけで食べていける職業ではなくなっているので、そこをきちんと理解した上で、お客さんのことを第一に考えて、わかりやすい説明や懇切丁寧な対応、メンタルケアを行い、信頼を勝ち取っていくことが大切だと思います。
弁護士に依頼をするというのは人生で1回あるかないかの出来事です。そういう意味では、すごく慎重に弁護士を選ぶと思います。それは大きな手術をするのと同じイメージで、できれば本当に腕のいい医師にお願いしたいと考える人が多いと思います。裁判は裁判官ありきなので、弁護士の主張がどんなに正しくても100%うまくいくという保証はありません。ただ、私に依頼することが「1番裁判に勝てる確率が高かった」「1番成果が出る」と言えるくらいの、そして、「馬込先生に依頼してダメだったら仕方ない」と思われるくらいの弁護士になりたいと思います。