大手監査法人から独立し、創業期の会社や中小企業からの相談に力を入れられている藤原先生に事務所の特徴や講師を務められているビジネス塾についてなどインタビューさせていただいた。
先生が公認会計士を志した理由は?
税理士の父親から税理士試験を受けるなら、会計士試験を受けてみたらとアドバイスをもらったことが会計士を目指したきっかけです。学生時代から税の道に進むことは決めていたので、会計士の道に進んだのは父親の一言が大きく影響しています。
藤原公認会計士事務所の特徴って?
個人事務所として事業を行っていますので、事務員が対応するのではなく、私自身が各クライアント様とマンツーマンで向き合っていることが当事務所の特徴です。マンツーマンで向き合うことで、クライアント様をしっかりと理解し、クライアント様の目線に立ってアドバイスをすることができます。
会計士としての業歴・経験が非常に長かったので、単純な税務だけではなく、会社経営や組織マネジメントを俯瞰的に見てアドバイスができることも特徴です。
また、創業融資の支援もさせていただいています。営業活動に熱心な経営者が多い一方で、資金繰りに悩まれている方もいらっしゃいます。銀行に資金調達をしたくても、どのような資料を用意するのかわからない方には資料の準備から一緒に行い、融資が通りやすい資料作成、商談準備、商談同行などの支援をさせていただいています。
前職では、従業員が20〜30人の会社から上場企業や上場を考えている会社などとお付き合いをしてきましたが、現在は創業期のまだお一人でやられている会社から大阪地域の中小企業まで、幅広い業種業歴のクライアント様とお付き合いしています。これからは地域に密着し、大阪の中小企業を盛り上げていきたいと思っています。
会計士と税理士の違いについて聞かれることがありますが、私の観点からすると税理士や税理士の業歴の長い公認会計士は税務の事について造詣が深いと思っています。一方公認会計士は、監査を行うために俯瞰的に会社を見る訓練を受けているので、会社全体を俯瞰的に見渡してマネジメント全体についてアドバイスができる人材が比較的多いように思います。会社全体を見てほしい場合と、業務に特化してほしい場合によって、相談を分けてみると良いかと思います。
—ビジネス塾について−
当事務所は私が塾長としてビジネス塾を開講しています。インターネットの普及とともに時代が進み、商売のやり方や組織の運営方法も変わってきています。昔のやり方を続けていても成り立たなくなってきます。今の時代に合わせて人や組織を運営していくには、どのようなやり方をすることが効果的かなど、経営の基本を勉強してもらいたいという思いから開講に至りました。
主な講義内容は「人・組織のマネジメント」です。多くの方は数字を目標に行動に移したくなりますが、自主的に行動するための動機づけがまず必要です。目的を持つことから考え直していただき、利益につなげていくことが大切だと思っています。まず、マネジメントする側の意識を考え直していただき、従業員の方にも行動目標を見つめ直す機会を設け、意識改革が全体的に浸透していくよう勉強していただきます。
受講者は事業継承者やその方をサポートする経営幹部の方が多くいらっしゃいます。人や組織のマネジメント方法を学び直し、長い視点でこれからの会社をどうしていくのか足元から洗い直す機会を作りたいと思っています。
よくある売上や利益を上げることを中心目的とする塾ではなく、経営そのものを継続していくために必要な人材を育て輩出することを目的とした塾を開校しています。ゆくゆくは、卒業生でコミュニティを形成して、卒業生の中で相談し合える組織を作りたいと思っています。
今後の先生の展望を教えてください。
会社の将来に対する不安は共通して皆さんが持たれています。創業者は会社が潰れてしまう不安を感じ、承継者は会社を維持・継続させていくことに不安を感じています。
どのような目標に向かっていくのか、従業員の方が同じ方向に向かって走って行くことも重要なので、マネジメント会社の提案にも大事な部分はありますが、私はビジネス塾で会計士としての視点からアドバイスやサポートしていきたいと思っています。
また、ビジネス塾を通じて知り合ったコミュニティでは事業者間での相談がしやすい環境をつくり、大阪の中小企業を盛り上げていこうと考えています。
経営者の相談相手として一番身近な存在といえるのが、顧問として関与している公認会計士、税理士である私たちだと思っています。すごい先生ではなく、「頼れる先生」になり、一人ひとりのクライアントと信頼関係を築いていく事が必要だと思っています。業界的にはIT化が進んでいますので、業務をこなすだけではなく一人ひとりの「頼りになる先生」になれるように今後も業務に励んでまいります。